イーロン・マスク的「脱・テレワーク」~アフターコロナ時代の働き方改革とは~

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コロナと働き方改革の流れはリモートワークを後押し

コロナ禍以降のビジネスシーンでは、出社せずに在宅勤務など働き場所を選ばないテレワークという働き方が一般化してきました。様々なリモートワーク向けのSaaSも普及し始め、働き方改革関連法に伴う長時間労働の是正や、働き方改革、DX推進の流れもあるため、テレワークという働き方は時代の潮流に乗っていると言えるかもしれません。

しかし、テレワークには一長一短あることも周知の事実です。コロナ終息を迎えた今、私たちはどのような働き方を選ぶべきなのでしょうか。

本記事では、Twitterのオーナー兼CEOであるイーロン・マスクが掲げる反リモートの解釈を挙げながら、現代のテレワークのあり方やメリットとデメリット等を考察いたします。

生産性や帰属意識の低下など一部では否定的な意見も

テレワークが一般化する一方で、企業によってはテレワークを禁止や撤廃するところも出てきています。もともと製造業など現場仕事のある事業者に限らず、IT系の企業でも出社型に回帰するケースが出てきています。なぜでしょうか?
それは、次のような課題が挙げられるようです。

  • 入社直後や転属後の人間関係構築が難しい
  • 生産性や業績など目に見える数字が下がる
  • スタッフの帰属意識やモチベーションの低下

ニュースなどをもとに事例を確認してみましょう。

イーロン・マスクが発表したリモートワーク禁止メール

イーロン・マスクが2022年11月にTwitter社員に対しメールを送信したというニュースがありました。

発表内容

~前略~
前途は困難であり、成功するには集中的な作業が必要です。また、特別な例外がない限り、リモート ワークは許可されないように、Twitter のポリシーも変更します。マネージャーは、承認を確認するために例外リストを私に送信します。

明日(木曜日)から、全員が週に最低 40 時間オフィスにいる必要があります。物理的にオフィスに行けない場合や、重要な個人的な義務がある場合は、当然のことながら、欠席することは理解できます。
(翻訳:Google翻訳 (英語→日本語))

原文:https://www.businessinsider.com/elon-musk-email-ends-remote-work-twitter-staff-office-2022-11

もともとTwitterは永久リモートワークを掲げていたので従業員からの反発もあり世間の反響は大きいものとなりました。

出典:ITmedia NEWS「Twitter、“アフターコロナ”も在宅勤務OKに」(2020年05月13日)

イーロン・マスクはテスラでも同様に出社を命じていました。

リモートワークで社会的孤立やストレスを感じている人も

利用者の目線ではリモートワークによって生産性の高さを感じる人もいる一方で、社会的な孤立感や疲労、ストレスがあることもわかりました。

2021年3月 リモートワークに関する調査結果(マイクロソフト社)

日本世界平均
生産性が高いと思う63%40%
仕事で社会的孤立感を感じる35%27%
より疲労を感じる48%39%
よりストレスを感じる45%42%
転職を検討する可能性がある38%41%
空間共有システムガイドブック

対面とリモートワークの生産性についての研究結果

少し前の研究で、マサチューセッツ工科大学等によって対面ネットワークと電子メールネットワークを比較したものではありますが、面白い論文があります。

複雑なタスクほど知識や経験のある社員に相談しやすい距離感が重要であり、情報やアドバイス、暗黙のルールなど注意すべき点を把握して対応できるようになります。 取り扱い件数が年に数回ぐらいに限られるような見積もり依頼や、難解な問い合わせ等がそれに当たるでしょう。
スタッフ同士の心理的な距離を近づけておくことがプロジェクトの完了を早めるのに役立ちます。逆に言えばスタッフが孤立していると複雑な仕事が進みづらくなります。

出展:Mining Face-to-Face Interaction Networks Using Sociometric Badges: Predicting Productivity in an IT Configuration Task

協調学習効果が期待できる

協調学習とは複数の人が意見を交換し、協力し合って目標を達成するという学習方法のことで、文部科学省も新学習指導要領に取り入れられ、ビジネスにも役立つものとして注目されています。

見積もりを出す場合など、タスクに伴って協調学習が始まります。他者の存在を意識した上での同調や反発、競争心などが学習の動機づけとなります。またメンバーの考え方を取り入れ、自分自身の思考を高めて理解を深めていける他、ひとりで学ぶよりも、幅広い考え方に気づけ、話し合いを通じて視野を広められます。チームワークを重視しながら新しい視点に着目でき、効果的な学習が行えます。

テレワークと対面の利点をうまく融合する

急速に進んだテレワーク導入の潮流は、働く場所を選ばない上に効率的でストレスの少ない「新時代の働き方」であると脚光を浴びました。生産性の向上につながったデータもあります。一方で、進捗管理などのマネジメントや上述した社会的孤立などの課題も顕在化していますので、うまくバランスを取り、課題を解消していくことも重要です。リアルに会って対話するコミュニケーションから得られる効果は、決して無視することはできません。リモートとリアルのどちらか一方だけを選ぶということではなく、両者の利点を融合させることが今後ますます重要となるでしょう。

この融合する考えを、オンライン会議の場面を例に挙げるとどうでしょう。

成果の上がる社内コミュニケーション(オンライン会議)とは

オンライン会議は、参加者一人ひとりが個々のPCで接続するのではなく、支社ごとに会議室や執務室等にグループで集まって参加することを基本とし、どうしても集まれない場合は個々で参加する形をとることで、成果の出る会議に変革できます。

パソコン・スマホから1人でテレワークしながら会議に接続する場合
  • トラブルが多く、予定通りに始まらない・途中で中断される
  • 参加意識が均一ではない
  • 1人の世界となり、会議への没入感が低い
  • 発言しづらく、疑問も解消できない
  • 部下のコンディションが見えない・困りごとや悩みに気づけない
  • 放置や置き去りなどの印象を与える
  • 孤独感や疎外感が生じメンタルの不調につながる
  • 会社への帰属意識低下や定着率の低下につながる

コミュニケーションが希薄となり、チーム力が低下する。

完全テレワークではなく、会議室など支店ごとに集まって参加する場合
  • トラブルが少なく予定通りに開催できるので、ストレスなく会議の進行が安定する
  • 互いが見えるので参加意識・当事者意識が高まる
  • 空気感が共有できて緊張感が保たれる
  • 発言や不明点の質問がしやすい
  • 声がけがしやすいので、コンディション把握など部下のケアができる
  • 一緒に働いているという感覚を得られる
  • 孤独感や疎外感が無くなり、安心感が生まれる
  • 会社への帰属意識や定着率が高まる

参加意識、当事者意識が保たれて、深いコミュニケーションが交わされ、より絆が強くなる。

テレワークと対面コミュニケーションの違いとは

いわゆる在宅ワークのようなテレワークは集中する上ではとても効率的な働き方です。ふと声をかけられることも少ないので一人で黙々と進めるような(相談不要な)作業には最適です。ある程度の熟練度に達しているスタッフなど、一定の関係性の中では有効です。
一方で、例えば複雑な見積依頼への対応や、重大なトラブル対応のように、複数のスタッフが知恵を結集しなければならない複雑なタスクの場合はテレワークでは対応が困難です。経営課題など事業が直面するような重要課題においてはなおさらです。

これらの複雑な課題への取り組みは、そのスピードが鈍いことは競争社会では不利に働きますので、結果として市場からの評価を失ってしまうことも十分に考えられます。

テレワークが当たり前になった今の時代だからこそ、これらの観点からも、盲目的にテレワークを推進するのではなく、スタッフの担当業務や働き方、ワークライフバランスなどの観点で選択し、目的に応じて選択するなど、テレワークの取り扱いを見直すべきではないでしょうか。

【解決策】リモートワークを対面に近づける方法

リモートでありながら、対面に近い環境を作り出すことができる拠点間 常時接続システムお隣オフィス「」を導入することも一つの手です。
大きな画面を通じてオフィス同士やデスク同士を常時オンライン接続することで、お互いの在席状況や表情まで、離れたオフィスを隣にくっつけることができますので、より対面(リアル)に近い環境づくりができます。

常時接続できる環境も使い方も、用途や目的に合わせて様々に対応できます。

  • 本社と支店・営業所などのオフィス同士
  • 事務所と倉庫や工場・生産現場
  • 離れた拠点の営業チームデスク同士(お隣デスク)
  • テレワーク中のスタッフとオフィス

直接的な対面と合わせて、リモートの場面でも対面に近い環境づくりを行うことは一つの有効な手段です。

拠点間 常時接続システム「お隣オフィス・お隣デスク」

お隣オフィス・お隣デスクは、
オフィスの空間共有を実現できる
システムです。

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