LoopGateとドローンによる画像伝送システムで現場と本部の連携を円滑化【八千代市消防本部様】

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テレビ会議LoopGateを導入・ご活用いただいているお客様に、どのような使われ方をされているのか、どのような影響をもたらしているのか…、といった点をお聞きする、インタビュー企画。
今回は、LoopGateとドローンを活用した画像伝送システムを導入された、千葉県の八千代市消防本部警防課の池部様にお話しを伺いました。

八千代市消防本部では、2021年2月より「ちば北西部消防指令センター(共同指令センター)」の運用開始に伴い、『署内マルチネットワーク』を構築し、先述のLoopGateとドローンを活用した画像伝送システムを導入されております。

ドローンで撮影している映像をリアルタイムで指令室や災害対策本部などへ伝送が可能となり、また双方向での映像音声のコミュニケーションにより、現場からの報告や本部からの指示を円滑に行うことを実現しています。

ちば北西部消防指令センター(共同指令センター)

千葉県北西部の10市が共同で、消防本部の119番通報の受け付け、災害出場指令や無線統制といった指令業務を共同で行う機関です。

この記事の目次

Q.池部様のご担当の業務、部署の業務内容について教えて下さい

現在は、八千代市消防本部警防課に勤務しています。このシステムを導入した時点では指揮指令課に所属していたのですが、その後に警防課に異動となり、日勤(平日の時間帯)にて仕事をしています。基本的には主にシステム関係の仕事に従事していますが、共同指令センターの事務も引き続き私が行っております。
警防課は過去にも従事していたこともあるので車両の整備・導入、開発事業や水利整理事業などいろんなものがありますけれども、そちらの指導も行っております。

Q.LoopGateを導入するに至った背景は?

ドローンを飛ばして、その映像を指令室や災害対策本部など遠隔でリアルタイムで見たい

LoopGateを導入したきっかけは、ドローンのショールームで、やりたいシステムがあるとお伝えしたときに、LoopGateがあると教えていただいたのがきっかけとなります。「やりたいこと」というのは明確にイメージができていました。ドローンを飛ばして、その映像を指令室や災害対策本部など遠隔でリアルタイムで見たい、映像で得られる情報は言葉よりも正確に伝わると考えていたんです。

以前のアナログの画像伝送装置では回線が弱くリアルタイムの伝送が難しかった

なぜこういうシステムを思いついたかというと、当消防本部が平成19年に導入したアナログの画像伝送装置があったんです。FOMAタイプのコンパクトなものがあって、ハンディカムを接続して伝送するというようなシステムを各隊に配布していたんです。ただ、そのシステムはFOMAだから回線が弱くて、静止画のコマ送りの絵になってしまった。競技大会にもっていったときに、ヨーイドンで競技を開始したとしても、次に伝送されたときにはもう終わっていた、なんてこともありました。

ドローンの映像を直接伝送することは電波法上難しいということもあったんですが、「受けた映像を伝送するシステムは必ずどこかにある」と思い、調べていました。そこでLoopGateのことを知ったんです。LoopGateは当初の「やりたいこと」がイメージ通り実現できていて、導入してからさらに、このシステムをいじり倒していくなかで、「別のやり方」のアイデアもどんどん出てきています。

「誰でも触れる」という簡単なシステムを探していた

LoopGateセットのカメラについては、もともと、このシステムが入る前から使用していたテレビ会議システムでも使用していました。自分はこういうシステム関連が好きなので、使いこなすことはできました。しかし、他の署員たちにとっては、意外と使いにくかったようで、使うことが難しいと触らなくなる…ということがよく分かっていました。やっぱり、「誰でも触れる」という簡単なシステムであること、それでいて拡張性のあるものという理由でLoopGateを選びました。

LoopGateを見れば、外部入力端子がUSBでわかりやすく、セットのカメラの代わりにハンディカムを使用することができるなど、拡張性があり、なおかつ、誰でもある程度どのような接続をしているのかわかるので、使い勝手が良いと感じています。

年度初めの消防長訓示でも活用

これをはじめて業務で使ったのは、年度初めの消防長訓示のときです。列員の中にハンディカムを設置し、あたかも参列しているかのようにしていました。その映像音声をLoopGateで経由させ、今回新しく整備した署内マルチネットワークから、各署所に配信したんです。なので年度初め式には、部隊は消防本部に来ることなく、消防長訓示や新採用職員の挨拶を自分の席で聞くことができた初めての試みでした。

Q.LoopGateは、機動性があるということと品質の面で優位性があったんですか?

そうですね。そちらが一番かなと。
ドローンの相性がよいことと、やっぱりシステマチックになっていて簡単に持ち運びができる点です。自分もドローン隊として何回か出動しているんですけど、持っていくときにアタッシュケースに入っているので、持ち出しやすいですね。
本部側のLoopGateは常にセットして電源を入れておいて、出動先から呼びつければ、残っている指令室の職員とコミュニケーションがとれるので、非常に簡単で重宝しています。これからすごく期待をしています。

Q:池部様以外でLoopGateを扱う署員はどれくらいいらっしゃいますか?

今のところ、ドローンの資格者は4人です。カリキュラムを組んでいますので、10月くらいにもう10名ほど育てようと思っています。
(募集をかけたところ本部職員で30名近い職員が名乗りを上げてくれました。ドローンやLoopGateに寄せる期待は高いと感じています。)

Q.「簡単であること」は、選定する上で重要なポイントでしたか?

そうですね。難しいシステムだと、導入しても特定の人間しか使えなくなってしまい、使わなくなるシステムになってしまう。過去のシステム導入の経験から、なるべく簡単に使えるものを選んでいます。

映像制作チームなど新たな署員・体制を整えていきたい

今年度は、デジタルインストラクターという担当を立ち上げる予定です。各署から二人くらい若手の職員を集めて、災害時にこういう映像を使うということを、若い段階から叩き込んで、その中からドローン隊としてLoopGateを使う署員を育てていく予定です。また今年度は映像制作チームも立ち上げてやっていきたいと思っています。

Q.このシステムを導入して、業務に影響があれば教えていただけますか?

「別のやり方」のアイデア

先ほども伝えているところで、ドローンだけじゃなく、このシステムは幅広く使えると感じています。当然、オンラインによるテレビ会議としても使用できるとわかっています。警防課では救急の担当もいますので、病院に持っていって、病院の先生と各署所をこのシステムをつかって接続して、オンラインで会議というか、実技の確認などもできるかもしれないと話がであがっています。いろんな使い勝手があり、様々な用途で影響があると感じています。

Q.PCを使ったシステムとの違いはありますか?

PCで使うシステムも多くの仕組みが登場していますが、実際使えるパソコンは限られてくるのかなと思っています。というのも、私たちは役所・自治体なので、セキュリティが結構厳しくて、「パソコン」となると、まず内部のイントラネットへ組み込むことはダメだし、インターネットで外部情報の見られるパソコンだとしても、たぶん、システム導入は難しいです。

LoopGateは専用機なので、この点でも非常に役に立つなと感じています。

Q.イントラネット内の他のデータと連携しないものが逆に必要なのですね?

そうですね、自分たちの業務は、「上空から撮影する映像」とか限られていて、扱うデータが担保されているとは思いつつも、セキュリティ部門からは「分離してください」とか、導入にあたっては厳しくチェックされました。今回は「専用機ですよ」ということで、パソコンではないのである意味チェック対象からは外れていました。そういった意味もあってパソコンだったら、導入が厳しかったかもしれないです。

ただ、こういったシステムが役所側でも認知されていけば、役所側でもパソコンへの導入もできると思います。

Q.八千代市消防本部は5拠点ですが、他社のテレビ会議システムも使われていますか?

そうですね、現在も、3拠点での利用可能なテレビ会議システム(モバイル)を使用しています。また、署内マルチネットワークにもLoopGateはリンクしています。

Q.実際にドローンを使って、現場にも出動されたことはありますか?

出動したことはもちろんあります。
現場の映像を見ながら、「もう少し右に寄れる?」とか、「ズームできる?」と指示を出していました。ドローンを使用した私たちの業務は火災のあとの現場調査の支援なので、ホバリングして静止画に近い状態で撮影していました。アグレッシブに動かすことはほぼ無く、実際はそういった使い方でした。帰ってからの事後検証等に活用し再度LoopGateの有効性について認識をしました。

また、火災等の災害出場以外でも、予防課の危険物施設の設置確認時の上空からの確認や、市内イベントでの活用等さまざまなところでの引き合いが来ています。今後災害活動以外にもLoopGateの活躍もあるものと思っています。

Q.今後の展開や検討されていることをお聞かせください

大雨や洪水とか、災害対策本部の役所との連携も検討

今は2拠点なので、拠点数を増やすことも考えたいです。あとは市役所庁舎の各部局にも接続できるようにするとか、災害対策をする上で危機管理課では映像は特に重要なので、接続許可を取っていきたいと思っています。今回導入したアタッシュケースタイプを貸し出し用としてもう1機導入することができれば、市庁部局に置いて会議室の中で立ち上げ、現地と消防本部、そして災害対策室がつながるということもできると思います。

システムは常設よりは機動性のあるものが良いですね。今後、現場の中にカメラが入っていく場面をもっと増やしたいと考えたときに、よりコンパクトになればと思います。隊員のポケットに入るくらいの大きさであれば、ウェアラブルカメラなど様々な機器を使用することもできるし、5Gのエリア拡大などとも合わせれば、より便利に活躍できる場面が増えるのではないかと思います。

Q.これからLoopGateに改善してほしいところや期待感は?

今のところ使ってみて不具合がないというイメージです。今後、回線の速度アップやシステムのスペック自体がよくなっていくと思いますが、LoopGateはシステム的にわかりやすいし、導入後も「この機能を使えばこんなこともできるんだ」というのが見えてきたのが良いと思っています。

特に外部からの入力映像を一緒に流せるというのが助かっていますね。本部側ではドローンからの映像をLoopGateセットのモニタだけでなく、別システムのモニタへ出力させることも簡単にできるので、助かっています。そういった意味では今のところ改善希望ポイントはあまり無いですね。今後使っていく中で、何か出てきたらお伝えしたいと思います。

Q.他市の消防本部さんに与えた影響があればお教えください

基本的に消防は「自分の市のことは自分でする」ということになっているので、直接与えた影響はないのですが…、今回、署内のシステムについては10市で共同整備という形式になっているんですが、『ドローンを活用した画像伝送システム』は完全に八千代市消防本部の独自整備になります。他市によって「できるところ・できないところ」があって、導入したくてもできないところもあります。しかし、今回の取り組みについては、今後の参考にしてもらうために情報提供をしていますので、影響は出るのかなと思います。

おわりに

LoopGateは、会議や常時接続といった「遠くに居る人と人をつなぐ」ために使われるツールというイメージですが、今回のように、ドローンとの連携による災害現場での画像伝送システムとしてのご利用も、導入活用ケースとして増えております。

実際に現場へ出動しているシーンも映像で拝見しましたが、映像を本部に伝送しながら「高度●●メートル」と案内が出るなど、本部の大型モニタに映し出される上空からの映像は、目の届きにくい場所も鮮明に映し出す事ができるので、現場状況の把握、現場と本部の円滑な連携による災害時の迅速な対処をサポートすることにつながると思います。救助活動や復興支援にもつながり大きな可能性を秘めていると感じました。

あらゆるものをつなぎ、課題の解決・そしてサポートする手段として活用いただければ幸いです。
八千代市消防本部 池部様、この度はありがとうございました!

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