
葬儀の相談は、突然の出来事をきっかけに始まることが多く、気持ちの整理がつかないまま判断を求められる場面も少なくありません。限られた時間の中で、式の内容や段取り、費用などを決める必要があり、「相談したい気持ちはあるが、どこから話せばよいのか分からない」という状況に置かれる人もいます。
次世代葬儀式場『めぐりえ』は、こうした葬儀相談のしづらさに向き合い、無人店舗という運営形態を採用しながらも、来場者が立ち止まったその場で相談に進める環境づくりに取り組んでいます。オンライン相談窓口を通じて、人の気配を感じながら落ち着いて話ができる仕組みを整えることで、相談の入口そのものを見直しました。
次世代葬儀式場『めぐりえ(川越)』について
次世代葬儀式場『めぐりえ(川越)』は、株式会社セレモニーが、川越エリアにおける新しい葬儀相談の形を検討する中で立ち上げた拠点です。日常生活圏に近い場所で、必要になったときに立ち寄れる相談の場をつくることを目的としています。
川越では、葬儀について考える機会が限られる一方、いざ必要になった際には、十分な情報を持たないまま相談に臨むケースも少なくありませんでした。式場に足を運ぶこと自体に心理的な負担を感じる人もおり、相談の入口をどう設計するかが課題となっていました。
そこで『めぐりえ(川越)』では、来場者が自分のペースで館内を見て回れるよう、無人運営を前提とした設計を採用しています。一方で、見学だけで終わらず、必要なタイミングでそのまま相談へ進める仕組みをどう成立させるかが、立ち上げ時からの検討事項でした。
歴史ある川越の地に60年の歴史を誇るセレモニーの次世代葬儀式場『めぐりえ』
https://www.meguriesougi.jp/kawagoe/

葬儀業界と『めぐりえ』が直面していた課題
突然発生する相談と、即応が求められる業界構造
葬儀の相談は、事前に予定されるものではなく、突然発生するケースが大半です。来場や問い合わせのタイミングは読みづらく、短時間のうちに式の内容や段取り、費用について判断を求められる場面も少なくありません。そのため葬儀業界では、突発的な相談や来客に即応できる体制を前提とした運営になりやすいという特性があります。
こうした相談ニーズは『めぐりえ』においても例外ではなく、来場者が疑問や不安を感じた瞬間に対応できなければ、相談の機会そのものを逃してしまう可能性がありました。
人手不足の中で、相談対応を人員配置に頼れない現実
一方で、葬儀業界全体では人手不足が進み、相談の発生タイミングに合わせて常に人を配置する運営は難しくなっています。来場の時間帯や目的は事前に想定しづらく、短時間の確認や小さな疑問といった、発生を予測しにくい相談ニーズも多く存在します。
特定の時間帯に人を配置する従来型の運営では、こうした相談を取りこぼしてしまう可能性があり、人員配置に依存しない相談接点の確保が求められていました。
単価下落が進む中で、従来型運営の見直しが必要に
加えて、葬儀業界では葬儀の小規模化や家族葬の増加を背景に、1件あたりの単価が下落傾向にあります。株式会社鎌倉新書の調査によると、葬儀の平均費用は2020年の 184.3万円 から、直近では 118.5万円 まで下落しており、約36%の減少となっています。
第5回お葬式に関する全国調査ー株式会社鎌倉新書 調査から引用
このような単価構造の変化により、従来と同じ人員配置や運営モデルを維持することは、経営面でも負担になりつつあります。突発的に発生する相談に対し、常に人で対応する前提そのものを見直す必要がありました。
無人運営の中で、相談の機会と安心感をどう両立するか
『めぐりえ』では、こうした業界全体の課題を背景に、無人店舗という形態を採用しました。しかし、無人であるがゆえに、来場者が疑問や不安を感じた際に、相談できないまま式場を後にしてしまうリスクも抱えていました。
無人という前提を崩さずに、突発的な相談ニーズにどう応えるか。人員配置に依存せず、相談の機会と安心感をどのように確保するか。この点が、『めぐりえ』にとっての大きな課題となっていました
テレ窓が『めぐりえ』をどのようにサポートしているか
入室から相談開始までを分断しない運用を実現
『めぐりえ』では、完全無人店舗でありながら、来場者が来店後すぐに相談へ進める運用を構築しています。来店は事前予約制とし、来場者は店舗外に設置されたインターホンを押すことで、離れたコールセンターから遠隔で自動ドアが解錠されます。
入室後は、店内に設置されたテレ窓を通じて、そのまま葬儀相談を開始する流れとなっており、入室から相談までが一連の動線として設計されています。

来場者に操作や判断を求めないワンタッチ接続
テレ窓は、来場者側に複雑な操作を求めない点が特長です。無人店舗を訪れた来場者は、画面に表示されたボタンを押すだけで遠隔地のスタッフとつながり、相談を始めることができます。
操作に迷うことなく相談へ進めるため、高齢の来場者や、遠隔相談を初めて利用する人でも、特別な説明を受けることなく利用できる運用となっています。

人員配置に依存しない相談対応を可能に
相談が発生するタイミングや内容は来場者ごとに異なり、事前に想定することは困難です。テレ窓を活用した遠隔対応により、特定の時間帯に人を配置することなく、必要な場面で相談を受け付けることが可能となっています。
これにより、突発的な来場や短時間の確認といった相談ニーズにも対応できる運営が実現しています。
テレ窓が『めぐりえ』にもたらした変化
テレ窓を導入したことで、無人店舗であっても、来場者が必要なタイミングでそのまま相談へ進める環境が整いました。入室から相談開始までの流れが明確に設計されたことで、来場者が迷うことなく対話を始められる状態が生まれています。
また、無人店舗という空間特性により、周囲を気にせず落ち着いて相談できる環境が確保されました。画面越しであっても、表情や声のトーンを通じた対話が可能なため、対面と大きく変わらない感覚で相談が進められています。
無人という前提を保ったまま、相談の機会と安心感を両立できる運営が、日常の中で成立しています。
”テレ窓の導入で無人店舗の可能性が広がりました。”
無人店舗という形態に対しては、当初は相談が成立するのかという懸念もありましたが、テレ窓を通じてスムーズに相談が始まり、画面越しでも違和感なく会話ができています。来場者からも「意外と使いやすい」「落ち着いて話せた」といった声が寄せられています。
来場のタイミングや相談内容が事前に想定できない中でも、必要な場面でオンライン相談につなげられるため、特定の時間帯に人を配置せずに運営を続けられています。無人という前提を保ったまま、相談の機会と安心感を両立できている点が、現在の運用につながっています。
株式会社セレモニー ご担当者様
今後の展望
無人店舗とオンライン相談窓口を組み合わせた運営を通じて、来場者が落ち着いて相談できる環境づくりを継続しながら、相談の質や対応の幅をさらに高めていくことを目指しています。
例えば、来場者から寄せられる相談内容や質問の傾向をもとに、展示や案内の内容を見直すことで、相談前の理解をより深められる環境づくりを検討しています。また、相談の進め方についても、来場者の状況に応じて無理なく対話が進むよう、運用面での改善を重ねていく考えです。
無人という形態を活かしながらも、人と人との対話を大切にする姿勢は今後も変わりません。『めぐりえ』では、オンライン相談窓口を通じて得られた知見を活かし、来場者が安心して相談できる場としてのあり方を引き続き模索していきます。
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