
平成21年の事業譲渡譲受(M&A)を契機に、丸亀市・高松市・坂出市へと拠点を広げてきた琴参タクシー。拠点が一つだった頃は、管理職同士が日常的に顔を合わせ、現場で起きている課題や対応について対話を重ねることができていました。
しかし、拠点拡大が進むにつれ、これまでと同じ密度で対話を続けることは難しくなっていました。管理職同士が直接話す機会は減り、現場の状況や課題が見えにくくなる。事業が成長する一方で、現場との距離が広がってしまうことへの危機意識が強まっていきました。
拠点拡大によって対面でのやり取りが難しくなる中、琴参タクシーでは、拠点間を常時つなぐ形でお隣オフィスを取り入れ、日常的な対話を維持しながら、乗務員の遠隔点呼も徐々に導入してきています。
琴参タクシーについて
香川県で最大級のタクシー事業者です。60年以上香川に密着して営業する同社はタクシー・バス合わせて車両台数は200台以上。高松、坂出、丸亀、観音寺など香川県内の各地に営業拠点があり、貸切観光バスや路線バス、介護タクシー、運転手を派遣する請負等のサービスを提供。タクシー会社としては珍しく、グループに自動車整備工場も所有し自社での車検や3ヶ月点検も管理されています。
平成21年のM&A以降、複数の営業拠点を構え、事業規模を拡大、現在は従業員数230名という規模にまで成長しています。拠点数が増える中でも、安全運行と現場の状況把握を重視した運営を続けています。
Webサイト: 琴参タクシー株式会社
琴参タクシーが抱えていた課題
事業拡大によって、対話を前提とした運営が成り立たなくなった
拠点が少なかった頃は、管理職同士が日常的に顔を合わせ、何気ない会話の中で現場の状況や課題をすり合わせることができていました。会議を設けなくても、対話の積み重ねによって判断や調整が行われる状態が保たれていたのです。
しかし、拠点が増えるにつれて、そうしたやり取りは忙しさの中で減り、やがてほとんど行われなくなっていきました。管理職同士が直接話す機会が限られる中で、意思のすれ違いが生じる場面も目立つようになりました。
日常の情報共有が失われ、積み上げてきた組織風土が無くなる危機
以前は、朝や夕方に顔を合わせた際に、「この車両の動きが少し不安定だった」「この時間帯の配車を現場はどう感じているか」といった話を、立ち話の中で確認できていました。会議を開くほどではないものの、運営に影響する情報をその場で共有できていたのです。
しかし拠点が分かれることで管理職との距離が広がり、現場が小さな違和感や困りごとを抱え込む場面が増えて、問題が大きくなるケースが発生、管理職だけでなく、現場のドライバーや配車係にも波及する事態がありました。
利用客との対話を大切にして長らく地域に根付いた運営をする琴参タクシーにとって、社内の対話が薄れてしまえば、対話が行われないこと自体が、組織風土やブランド価値に影響を及ぼしかねません。
事業拡大の影で、大切にしてきた組織の在り方が揺らぎ始めている─
─その危機感が全社に募っていました。
お隣オフィス/LoopGateが琴参タクシーをどのようにサポートしているか
拠点が増えても、日常的な対話が途切れない状態をつくる
拠点拡大によって対面でのやり取りが難しくなる中、琴参タクシーでは、拠点間を常時つなぐ形でお隣オフィスを取り入れています。特定の会議や報告だけではなく、以前は対面で行われていたような日常的なやり取りを、拠点を越えて行うための環境として活用され、従来の対話型コミュニケーションが復活していきました。
さらに、拠点同士が常につながることで、現場で起きている小さな変化や違和感についても、その場で声を掛け合えるようになり、拠点ごとに分断される状況が生まれにくくなっています。
運送業特有のリスクを軽くするコミュニケーション環境
運送業では、現場の業務負荷や判断の遅れが、そのまま運行やサービス品質のリスクにつながりやすい特性があります。管理職と現場の対話が途切れにくくなることで、業務の負荷や懸念が早い段階で共有され、対応を検討するきっかけが生まれています。
お隣オフィス/LoopGateが琴参タクシーにもたらした変化
拠点間を常時つなぐことで、管理職同士が移動せずとも状況を共有できるようになりました。各拠点の様子や現場の空気感を踏まえた会話が行われ、日常的な対話が維持されています。
現場で起きている小さな変化についても、その都度やり取りが行われるようになり、判断や対応が各拠点で完結してしまう状況が生まれにくくなっています。事業規模が拡大しても、対話を前提とした運営を続けられる状態が保たれています。
”拠点が増えてきた頃から、「最近どう?」みたいな会話をする機会が本当に減ってしまっていました。顔を合わせた、ちょっとした会話の重要さを痛感しました。”
拠点が増えてきた頃から、「最近どう?」みたいな会話をする機会が本当に減ってしまっていました。前は顔を合わせて、ちょっとしたことでもすぐ話せていたので、そこが一番気になっていました。
お隣オフィスを取り入れてからは、正直すごく楽になりました。わざわざ集まらなくても拠点同士で話せますし、「今こんな状況なんだ」とすぐ分かる。便利ですし、距離を感じにくくなったのが大きいと思っています。
事業が大きくなっても、管理側と現場がちゃんと話せる状態はやっぱり大事です。その前提を保てているのは助かっています。
河田 幸治郎 氏
琴参タクシー株式会社 代表取締役
お隣オフィス/LoopGateならではの価値
琴参タクシーの課題は、拠点拡大によって日常的な対話が成立しにくくなった点にありました。お隣オフィスは、拠点同士を常時つなぐことで、対面で行われていたやり取りを自然に再現できる点に価値があります。
映像と音声を通じて現場の空気感を含めて共有できるため、数値や報告だけでは伝わらない情報も会話の中で行き交います。事業規模が拡大しても、対話を前提とした運営を無理なく続けられる仕組みとして機能しています。
今後の展望
琴参タクシーでは、拠点が分散する事業体制を前提に、遠隔点呼での活用を今後の運用として検討しています。事業所が増える中で、点呼業務をすべて対面で行う運用には限界があり、拠点ごとの状況を把握しながら実施できる体制が求められています。
遠隔点呼を取り入れることで、管理側が現場と対話を続けたまま点呼を行える形を想定しています。単に点呼を遠隔化するのではなく、現場の状況や業務負荷を踏まえたやり取りを行いながら、安全確認を進めていく考えです。
拠点拡大を続けながらも、安全運行と事業運営の質を両立させる。その一環として、遠隔点呼を含めた運用のあり方を検討していくことが、今後の取り組みとなっています。
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