【リモート窓口導入事例】合併後の庁舎二重化という課題にどう向き合うか――熊本県美里町が選んだ、住民が移動しなくても済む窓口のかたち

熊本県美里町 町長インタビュー 自治体2040年問題に対する美里町役場様のDX推進の取り組み 美里町xテレ窓

合併後の庁舎二重化や高齢化の進行は、多くの地方自治体が直面している課題です。
熊本県美里町でも、住民の移動負担や将来を見据えた行政サービスのあり方が問われてきました。
美里町では、こうした状況を前提に、「住民が移動しなくても済む窓口」を実現するための取り組みを進めています。

熊本県美里町役場 様

熊本県美里町は、熊本県のほぼ中央に位置しており、熊本市から南東へ約30km、車で約40分程度の距離にある自然豊かな町です。平成16年11月1日に中央町と砥用町が合併して誕生しました。美里町の町名は、合併時に全国から公募し選考を経て、「いつまでも美しいふる里でありますように」という想いが込められて名付けられました。

合併後も、住民の生活圏や地域性に配慮し、旧町それぞれの庁舎を活用した行政運営が続けられてきた一方で、人口減少と高齢化が進行しており、行政サービスの提供方法そのものを見直す必要性が高まっています。
移動を前提とした窓口対応が、住民にとって負担になりやすい地域環境となっていました。

静かに、しかし確実に近づいている「2040年問題」

美里町では、高齢化が段階的に進行してきました。例えば、2015年時点では高齢化率は約40%台で推移していましたが、2025年現在では約45%前後にまで上昇しています。

さらに、国が示す人口構成の将来推計を踏まえると、2040年頃には高齢化率が5割前後に達する可能性も指摘されています。高齢者人口の増加と生産年齢人口の減少が同時に進むことで、行政サービスの提供体制そのものが大きな転換点を迎えることになります。

こうした将来像を見据えながら、美里町では、これまでと同じ行政サービスのあり方を続けることが難しくなるという前提のもと、新たな選択肢を検討する必要がありました。

美里町役場が抱えていた課題

合併後に続く庁舎の二重化と移動負担

美里町では、合併後も旧中央町と旧砥用町の庁舎を活用した行政運営が続いています。
両庁舎は車で約25〜30分、距離にしておよそ15km離れており、用件によっては庁舎間の移動が必要となる場面がありました。

特に高齢者にとっては、この移動そのものが大きな負担となりやすく、住民サービスの利便性という点で課題となっていました。

業務内容によって分かれる窓口対応

相談内容によっては、住民票や税に関する手続き、福祉や子育てに関する相談などで、訪れるべき庁舎が異なるケースもありました。
その結果、一つの用件を終えた後に別の庁舎へ移動する必要が生じるなど、住民・職員双方にとって効率的とは言えない状況がありました。

こうした状況は、現場の工夫だけで解消できるものではなく、合併後の行政体制を前提に、町として判断すべき課題となっていました。住民の負担を増やさずに、将来にわたって行政サービスを維持するための方法が求められていました。

住民が移動しなくても済む仕組みとして取り入れた「リモート相談窓口」

庁舎が二つに分かれている状況は、特に移動が難しいご高齢の方や、多忙な住民にとって大きな負担になります。
合併によって町域が広がった美里町では、遠くの庁舎に来庁するために、相当な時間と労力を要する場面もありました。

そこで考えたのが、住民が移動しなくても相談や手続きができる仕組みです。
画面を通じて職員と対話ができるリモート相談窓口を活用すれば、庁舎が分かれていても対応が可能になると考えました。

熊本県美里町 上田町長とのインタビュー風景、「住民が移動する必要の無い仕組みとして、リモート相談窓口に注目」
熊本県美里町 上田泰弘 町長

テレ窓が美里町役場をどのようにサポートしているか

操作に不慣れな住民や職員でも使えるリモート窓口

美里町役場では、旧中央町と旧砥用町の庁舎をリモートでつなぎ、来庁した庁舎から、もう一方の庁舎が所管する相談や手続きを行える体制を整えています。

リモート相談窓口「テレ窓」は、操作に不慣れな住民でも利用しやすいことを前提に運用されており、
職員側も複雑な操作を行うことなく、通常の窓口業務の延長として対応しています。

美里町の役場に設置されたオンライン相談窓口
美里町の役場に設置されたオンライン相談窓口。ワンタッチボタンで簡単に担当課に接続できる

プライバシーに配慮した専用ブースと書類確認を支える設備

美里町役場の庁舎に設置されているリモート相談窓口「テレ窓」は、専用のブース内に設置されています。
ブース内での声は外部に漏れにくく、相談者のプライバシー保護にも配慮された環境となっています。

また、書類をモニター画面に投射できる書画カメラも備えられており、手続き書類の記入方法を画面越しに確認しながら説明することが可能です。対面に近い形でやり取りができるため、書類を伴う相談にも対応しています。

オンライン相談窓口の利用風景
専用ブースの中に設置されたオンライン相談窓口の利用風景。職員と住民が画面を通じて対話

美里町が地域発展のために実践していること

棚田を守り、地域の景観と営みを次世代へつなぐ取り組み

美里町では、町を象徴する景観の一つである棚田を守る取り組みを続けています。棚田の維持や活用を通じて、地域の自然環境や農業を次世代へ引き継ぐ活動が行われています。

住民の定住化と移住促進に向けた環境づくり

あわせて、美里町では住民の定住化や移住促進に向けた取り組みも進められています。町で暮らし続けたいと考える住民を支えると同時に、町外から人を迎え入れるための環境づくりにも力を入れています。

リモート相談窓口の導入も地域経済活性化の取り組みのひとつ

経済面では今後、熊本県内にTSMC(台湾の半導体製造企業)や、その関連企業が進出しており、新たな雇用の創出が期待されています。こうした動きは、若い労働力人口の増加や地域経済の活性化につながる可能性があります。
美里町は、こうした企業が集積するエリアへの通勤圏内に位置しており、居住地としての魅力を持つ地域でもあります。

町としては、こうした環境の変化も踏まえながら、これまでのやり方にとらわれることなく、さまざまな手法を試し、取り入れていくことが重要だと考えています。

リモート相談窓口の取り組みも、その一つとして位置づけています。

熊本県美里町 上田町長とのインタビュー風景、「リモート相談窓口を地域経済活性化のきっかけに」
リモート相談窓口を地域活性化のきっかけに、と上田町長

自治体のテレ窓活用シーン

自治体におけるリモート窓口システムの活用を動画でご紹介しています。
本庁の職員と出張所(支所)に訪れた市民とをテレビ画面でつないで書類の書き方を指導しています

窓口業務の業務効率化を実現、テレ窓製品パンフレットダウンロード
窓口業務の業務効率化を実現、テレ窓製品パンフレットダウンロード

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