オンライン対面窓口を設置 ~自治体DX推進の取り組み、市民サービスの向上を目指して~

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茨城県結城市役所 様

結城市は茨城県の西地域に位置する関東地方で有数の歴史深い城下町で、蔵つくりの街並みに多くの寺院や神社が相まって、より歴史深さを感じさせる街並みです。伝統産業は絹織物の「結城紬」(国の重要無形文化財)で奈良時代頃から特産地として発展しています。
(参考出展:Wikipedia)

Webサイト:

近年、DX推進に取り組まれる地方自治体が増加しています。
そんな中、茨城県結城市役所では行政改革のひとつとして、ギンガシステムの「LoopGate(テレ窓)」を市民の方がご利用いただけるオンライン対面窓口として導入設置されています。

今回はオンライン対面窓口の導入に携われた、
総務部 総務課 行政経営係の佐藤様にお話を伺いました。
※組織名、所属は取材当時のものです。

この記事の目次

Q. 自治体DXとしてどのような取り組みをなさっていますか?

行政サービスの生産性の向上を目指して

私は「総務部 総務課 行政経営係」というところに所属しておりまして、行政改革を推進する業務に取り組んでいます。事業の選択と集中ということで、メリハリのある行政運営に務めるための改革を推進しています。

最近では自治体DX推進が求められておりますので、RPA(ロボットによる業務自動化)やAI-OCR(機械学習による文字認識技術)などを使って業務の効率を上げて行政サービスの生産性を高めたりそこから市民の皆様の利便性の向上につなげたりといったことに取り組んでおります。

ペーパーレス化の導入

他には、タブレットの活用、ペーパーレス、そしてペーパーストックレス(保管書類の削減と電子化)という取り組みも積極的に行っています。
例えば介護認定審査会を、タブレットを使ってペーパーレスで行っています。

ペーパーレスはオンラインとの親和性もあって、オンラインの窓口もそうなのですが会議や他の場面でも活用できるので、LoopGateだけでなくZoomのようなパソコンを使ったWeb会議システムの有用性も並行して検証しています。

いろいろなものを試して利便性の向上を追求

いろいろとトライして…とにかく「やってみないとわからない」というところもあるので、いろんな場面でいろんなアプローチを試して利便性を上げていく…ということをやっています。
本来であれば、検証→実証、そして検証して的確に…ということでしょうが、ちょうどコロナの状況ということもありますので、手探りの部分というのはどうしても出てきます。

Q. オンライン対面窓口(LoopGate)導入のきっかけは?

オンライン対面窓口の設置はチャレンジが形になった

導入しているオンライン対面窓口についても、導入当時は近隣の他の自治体で導入したという事例が無くチャレンジするという部分が形になっていまして、今は利用実績を挙げるために利用者を増やしていこうと取り組んでいます。

ホームページにもオンライン対面窓口のご案内を掲載していますが、本庁はもちろん他の出張所にも設置しています。(江川出張所、結城出張所、山川出張所:2022年5月現在)

モデルケースとして他自治体からの視察も

このような取り組みの甲斐もあって、他の市町村からもオンライン対面窓口の問い合わせをいただくことがありますね。どのようなシステムを使っているのか?設置は?といったことで、LoopGateのお話もさせていただきました。

茨城県や県外からも視察にも来られています。

まだまだこのようなオンライン対面窓口という使い方は懐疑的と言いますか、珍しいようです。しかし、これだけ問い合わせや視察もあるということは、今後積極的に導入されて広まっていくのではないでしょうか。
結城市の取り組みがひとつのモデルケースとなっていることは非常に嬉しく感じています。

出張所に設置
3つの出張所にもオンライン対面窓口を設置。本庁とつないでサービスを受けられます。

Q. オンライン「対面」窓口に着目された理由は?

新型コロナウイルスの感染拡大防止策の検討が始まり

やはり、新型コロナウイルスの影響が大きいですね。感染拡大防止というところで三密を避けなければならない、接触機会を減らすということが課題となった時に、それでも行政サービスを止めることはで きません。そこで、どうやれば絶え間なく行政サービスを続けられるかということを考えました。

「お互いの姿が見えること」が重要だった

当然、書類に至るまでコンビニ交付とか証明書の発行などというのはオンラインなり市役所に来なくてもできるっていう業務は増えてきているのですが…。
やはり福祉の職員からは、「顔を見ながら相談したい」というご高齢の方の要望があることや、職員からも「訪問をして顔を見ながら対応したい」という相談がありました。お互いの顔が見える状態での相談というのが非常に重要だったのです。

市民の方々が使える仕組みの答えがオンライン対面窓口

ご高齢の方にパソコンやスマホでZoomといったWeb会議アプリを使って…ということはなかなか難しいと感じる方のほうが多く、私たちのように普段から使い慣れている感覚でそういったシステムを導入したところで、本当に使う市民の方々が結局は使えないものになりかねません。

このような課題から有効な手段を検討した結果、証明書の発行や福祉の相談を直接オンラインという形ではなく近くの出張所に来所いただき、本庁のサービスを受けられるようにしたら良いのでは…ということになり、テレビ会議システムを使って出張所と本庁をつなげるオンライン対面窓口という方法が最適と考え導入に至りました。

職員の働き方改革にも一役

さらには、職員の働き方改革という面でも一役買っていまして、やはり職員が直接一軒一軒ご訪問するには移動の時間がかかってしまい効率良くありませんしご訪問できる件数もかなり限られてしまいます。しかし、市民の方々が満足いただけるのであれば、オンラインで対面するという形は効率面でも優れています。

出張所からでもワンストップで対応できる

本庁では保険年金課やこども福祉課の職員が入れ替わり対応するような形をとっていますので、出張所に来てくださっても本庁と同じご相談がワンストップで対応できる窓口として利用いただいています。

※結城市役所様では、以下の課のご相談をオンライン対面窓口で取り扱っておられます。
保険年金課 子ども福祉課 社会福祉課
介護福祉課 健康増進課 税務課 収納課
(2022年6月2日現在)

結城市役所 庁舎
令和2年11月末に開庁した結城市役所の新庁舎。市民の方々がより利用しやすい庁舎に。

Q. オンライン対面窓口を利用された方のお声はいかがでしたか?

出張所からでも本庁と同じ相談ができる

実際にオンライン対面窓口をご利用になる方はやはり高齢者の方が多いのですが、皆様からは、これまでは本庁に出向かなければできなかった事が、出張所に行けば解決できた…というお声をいただいています。

相談相手の顔が見えることで安心する

あとは、飛沫感染のリスクも少なくて、何より相談相手の顔が見えることが良いといただいています。職員の人となりと顔が見えることで話すにしても安心を得られるということですね。

出張所の職員も、ボタン一つでつながって会話ができるので簡単な操作で対応できるので問題なく使えているようです。

画面越しに書類の目視確認や記入案内ができる

若い方からのお声もあります。
子供のマル福(医療福祉費支給制度)の手続きや予防接種のご相談の時に、たとえば母子手帳を直接カメラに向けていただき、職員はそれを画面越しに目視確認して接種状況を把握する…といったことがスムーズにできました。

また、書類の書き方をご案内する時も、カメラ越しに説明ができるので相手に伝わりやすいです。書類のココに名前を書いてください…といったように、「ココ」を画面越しに指差しして案内ができます。

電話では書類の説明は難しく誤解を招く可能性もありますが、画面越しに直接書類を見せてやり取りができると、正確に伝わりますね。

文字が視認できる映像品質と、聞き取りやすい音声

映像も文字が視認できるほど鮮明なので、わざわざパソコンにデータを取り込むといった複雑なことは不要です。その場ですぐに見せることができるのは、オンラインとは言え直接対面のやり取りとほぼ変わらず、非常に便利とのことです。
音声も聞き取りやすいので、問題なくコミュニケーションが取れているようです。

Q. オンライン対面窓口を導入される際の皆様のご反応はいかがでしたか?

当初の不安も操作説明会で解消

やはり、このようなシステムや仕組みの導入は初めてということもあったので、最初のうちは職員も抵抗感というか大丈夫かな?という不安はあったようですが、ギンガシステムさんで操作説明会を開催していただいて、実際に映っている画面を見ながらの説明だったので解りやすく、抵抗感はかなり解消できました。

まだまだ全職員という訳にはいかないのですが、使える職員も少しずつ増えて庁内で浸透しています。

市民の方へのプロモーションの一つにYoutubeを活用

市民の方々への利用促進や認知してもらう施策として、シティープロモーション係や各代表者でワーキングチームを結成し様々な意見交換をする中で、Youtubeも使っていこうという案が挙がり、公式チャンネル上でオンライン対応窓口の案内を掲載することになりました。

Q. なぜオンライン対面窓口にLoopGateを選ばれたのですか?

テレビ会議システムを業務に使う機会があった

現在の新庁舎に移転する前は、例えば教育委員会が5・600m離れた建物にあったり、他の部門も別々の場所に転々としていたりという状況でした。
それら離れた部門と会議をするために、いろいろなテレビ会議システムを使っていまして、職員の中でもオンラインで会議を開催することもあって、テレビ会議システムには触れる機会が多くありました。

そんなこともあって、こういったテレビ会議システムをうまく使えば市民サービスに活用できるのでは?と考えるようになりました。

実際に内部で使ってみたり、業務としては特別定額給付金の給付事務の時に本庁とは別の場所でコールセンター的なものを運営していたので、そことテレビ会議システムをつないで履行管理をしたりといったように、業務を進める中での使い方を行っていたことがあって、オンライン対面窓口を導入する流れになりました。

LoopGateを選んだ理由は「簡単さ」

LoopGateを選んだ理由は、やはり使いやすさと簡単さですね。ワンタッチのリモコン操作一つで使える点が最も大きくて他メーカーの製品と比較してもここまで簡単な操作のものはありませんでした。

市民の方がご利用になられるということで、パソコンやスマホの操作は人によっては難しいですが、リモコンのワンタッチ操作で使えるのであれば、敷居はぐっと下がります。
今は職員が接続のサポートをしていますが、最終的には市民の方がご自分で接続操作ができるようになることが理想と思います。

操作が簡単であればそれも実現可能だと思いますし、我々の思い浮かべる理想とLoopGateの特長が合致しました。

サポート対応や操作説明会で安心感が生まれた

それと、サポートの面です。
やはり操作説明会をしていただいたのは、職員にとっては不安もありましたので助かりました。また、プラスで操作説明をもう一度お願いしたりと…、サポートスタッフの方にご相談をしているのですが、サポートスタッフにこういった相談のやり取りができるのも安心感があります。

Q. 導入前後の対応はいかがでしたか?

購入前に実環境で接続テストを実施

テレビ会議のようなネットワーク機器の導入は事前にテストが必要不可欠ですが、ネットワークの担当職員とも連携を図っていただき、この庁舎の環境で接続できるのか実機を使って事前に試すことができました。

自治体のネットワークは「三層分離」が義務付けられていますので、その辺りの兼ね合いもネットワーク担当者と協議することは重要ですね。導入したが使えなかったということも、実環境での実機テストで解消できたのは助かりました。

本庁内で複数箇所、3つの出張所にそれぞれ設置していますが、設置の時もサポートスタッフの方が疑問点などにも対応してくれたので、スムーズに設置できたと思います。

Q. オンライン対面窓口以外にLoopGateはお使いですか?

複数拠点をつなぐ会議で使用

最近はさまざまなシステムが登場していることもあり、私たちも個人の研修参加などではZoomを使うことも多いですが、複数の拠点をつなげた会議となるとLoopGateの方が直ぐに使えるし安定していますので、LoopGateを使います。
多人数の会議ではカメラが広角を映せるのは良いですね。会議室全体を映しても顔がよく見えるので、1対1がたくさん集まるよりも参加意識が強くなりますね。

また、招待機能を使ってテレビ会議とは別に審査員を招いて審査を行う会議があるのですが、それをオンラインでやったこともあります。これらもいろいろとシチュエーションを試してみたり…です。やはり音声や画質はどうか、ラグ無く快適にできるのか…など、やってみて判ることもありました。

今後はオンラインも普通のことになりますので、集まれない状況でも直ぐに対応できるように準備をしています。

Q. 今後のご活用方法についてお聞かせください

招待機能を使った個別相談

職員の研修でももっと使っていければと思いますし、今後考えているのが招待機能を使って個人の方に対して個別相談に使うということを考えています。
招待機能ならスマホにメールで参加招待を送ることで参加できますし、今はスマホをお使いになられる方も多いので、市民の方々が利用できる幅も拡がると思います。

無人観光案内や通訳を介したご案内

無人の観光案内といったことも考えています。簡単な操作性なので気軽に使っていただけるのでは、オンライン対面窓口の応用も検討しています。

あとは、通訳です。通訳の方を含めた三地点の接続でより相談も快適になるのではと、そういった使い方も考えています。インバウンドや日本語が難しい方への対応ということにも使っていけると思います。

結城市は外国人も結構いらっしゃいまして、外国人関係の登録や保険・医療関係のために来庁されることも多くあります。

本庁には「ポケットトーク(AI通訳機)」を窓口に設置していますが、出張所では使えません。ですがオンライン対応窓口で通訳もできれば外国人の方々の利便性も上がると思います。

まとめ

地方自治体では、コロナ禍以降急速にDX推進の動きが広まっているようです。
これまでは懐疑的で「できないのでは?」と考えられていたことも、結城市役所様のようにテストや試行することで、実は以外とシンプルに導入できるということを見つけられています。

導入テストを行うことで、表面上だけでは見えないサービスの利便性や既存導入システムの課題もはっきりと見えてくるそうです。

今回お話を伺った結城市役所様のオンライン対面窓口だけでなく、窓口のワンストップ化など行政サービスの利便性向上とDXは親和性が非常に高いと感じますので、ぜひいろいろなケースでの導入テストやデモをお試しください!

佐藤様
この度は貴重なお話を誠にありがとうございました。

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