【LoopGate導入事例】光製作所 | 天草の2工場をひとつにつなぐ、監督者と作業者がいつでも向き合える日常

光製作所LoopGate導入事例

導入企業: 株式会社光製作所
本社/苓北工場: 熊本県天草郡苓北町都呂々2095番地
本渡工場: 熊本県天草市本町新休58番地1
事業内容: 電子機器の基板実装・組立・検査、コイル製造、ハーネス加工
設立: 1976年1月
従業員数: 68名
Webサイト: https://hikari-amakusa.co.jp/

光製作所が抱えていた課題

天草の地形が生んだ、監督者と作業者の「距離の壁」

熊本県の西端、天草地域。半島特有の山がちな地形のため、同じ地域内でも拠点間の移動には思いのほか時間がかかります。

株式会社光製作所は1976年の創業以来、この天草の地でコイル製造から基板実装、組立、検査、ハーネス加工へと事業を広げてきました。「顧客の要求品質を満足させる優れた製品造り」を掲げ、部品加工から組立まで一貫生産できる体制を持つ、地域を代表する電子機器メーカーです。

同社は苓北町の本社と天草市本町の本渡工場の2拠点体制。2024年には本渡工場を移設して生産力を強化しました。ただ、拠点が物理的に離れていることで、現場の監督者と作業者のあいだには長年の悩みがありました。

ベテランの監督者は体がひとつしかありません。片方の工場に張りついていると、もう一方の現場は経験の浅い作業者だけで回すことになる。判断に迷ったとき、すぐに相談できる相手が近くにいないんです

従業員68名の体制で、熟練監督者の目と判断を両拠点に行き渡らせることが課題でした。電話では現場の状況が伝わりきらず、かといって山間部の道を往復するのは時間がかかります。気軽な声かけや、ちょっとした確認のやり取りも、拠点が分かれているだけで途絶えてしまう。離れた現場で作業者が孤立しがちになることも、見過ごせない問題でした。

LoopGateは光製作所の課題をどのように解決したか

導入の決め手 ― 「隣にいるように声をかけられる」常時接続

光製作所が必要としていたのは、必要なときだけつなぐビデオ会議ではありません。離れた2つの工場が、まるでひとつの現場のように、監督者と作業者がいつでも顔を見て声をかけ合える環境でした。

そこで採用したのが、リモートコミュニケーションシステム「LoopGate」のパッケージソリューションである拠点間常時接続システム「お隣オフィス」です。

お隣オフィスは、拠点間を映像と音声で常時つなぎっぱなしにするシステムです。必要な時だけ接続する従来の会議システムとは違い、隣の部屋のようにいつでも声をかけられる環境をつくります。監督者は離れた工場の作業の様子を常に視界に入れておけますし、作業者は手を止めて会議を設定しなくても、その場で「これ、どうですか」と相談できます。

デモで実際につないでもらったとき、画面の向こうの作業場がそのまま見えて、声をかけたらすぐに返事が返ってきた。これなら離れていても、同じ現場にいる感覚で指示が出せると思いました

作業場全体を映す中心の機材として、Yealink AIビデオバー(Yealink SmartVision 40)を組み合わせています。デュアル48メガピクセルレンズと120度の広角視野を持ち、発話者を自動でクローズアップする機能や、8つのビームフォーミングマイクによる明瞭な集音が特徴です。作業場に複数の作業者がいても、話している人を自動で映し出すため、画面越しでも「誰が何を言っているか」がはっきり伝わります。

加えて、基板など細かな対象を鮮明に映すためのオブジェクトカメラ(IPEVO P2V ULTRA)も両拠点に備えました。手元の細部を映し出せる機材で、監督者と作業者のやり取りをさらに具体的にする道具として、活用の幅を広げていく考えです。

導入システムの構成

本社と本渡工場の両拠点に、それぞれLoopGate基本セットを1台ずつ設置。各拠点にYealink AIビデオバー(Yealink SmartVision 40)、オブジェクトカメラ(IPEVO P2V ULTRA/スタンド・クランプセット)、PC入力ユニットを配備しています。

加えて、LoopGate forテレワーク(PCアプリ版)を5ライセンス導入しました。固定端末がない場所でも、ノートPCから常時接続映像にアクセスできるため、工場内を移動している監督者や、出張先の管理職も現場とつながれる体制です。

導入後の変化 ― 監督者と作業者が「いつでも向き合える」日常

導入後、2拠点間の連携のかたちが変わりました。

本渡工場の作業者が判断に迷ったら、本社にいる監督者に画面越しに声をかけてその場で確認する。監督者は離れた工場の様子を常に視界に入れながら、気になったところがあればすぐに指示を出す。こうしたやり取りが、わざわざ会議を設定したり移動したりすることなく、作業の流れの中で自然に行われるようになりました。

以前は、経験の浅い作業者が判断に迷っても、監督者が到着するまで手が止まることがありました。いまは問題が起きたその場で相談でき、対応までの時間が大幅に縮まっています。ラインの停滞も減りました。

常時接続の効果は、指示や確認といった業務面だけではありません。2つの工場が常に映像でつながっていることで、朝のあいさつや、ちょっとした声かけ、雑談が自然に生まれます。離れた現場の作業者が孤立せず、互いの気配を感じながら働ける。この環境は、組織の一体感にもつながっています。

Yealink AIビデオバーの発話者自動フォーカス機能も現場では重宝されています。作業場に複数人がいても、話している人を自動で映してくれるので、監督者は「誰が相談してきたか」を画面越しにすぐ把握できます。また、映す範囲を限定できるVideo Fence機能は、見せたくない製造ラインを除外できるため、情報管理の面でも安心して使えると好評です。

LoopGate forテレワークの5ライセンスも活きています。管理職が外出先からノートPCで現場の状況を確認したり、複数の担当者が別々の場所から同じ画面を見ながら話し合ったりと、固定の端末に縛られない柔軟な使い方が広がっています。

今後の展望

2026年に創業50周年を迎える光製作所。離れた2拠点の監督者と作業者が常に声をかけ合える環境は、現場の判断スピードと技術ノウハウの伝承を支える基盤になっています。

ここからさらに取り組みたいと考えているのが、オブジェクトカメラを活かした基板の遠隔確認です。

基板の実装や検査では、実物を見ながらの確認が欠かせません。13メガピクセルセンサーによる4K映像と最短1cmまで寄れるスーパーマクロフォーカスを備えたIPEVO P2V ULTRAなら、基板上の微細なパターンや部品の状態、刻印までを鮮明に映し出せます。離れた拠点の監督者が、画面越しに基板の細部まで見ながら技術判断を下す。そんな使い方を現場に定着させていくことが、次の目標です。

光製作所LoopGate利用シーン

その先には、オブジェクトカメラを使った技術研修への展開も見込んでいます。ベテラン監督者が検査手順をカメラの前で実演し、離れた拠点の若手作業者がリアルタイムで学ぶ。映像を記録すれば、属人化しがちな技術を組織の資産として残すこともできます。

取引先とのやり取りへの活用も視野に入っています。納品先と映像で基板の状態を共有しながら受入検査に立ち会ったり、遠方の顧客と試作品の仕様を調整したり。こうした使い方が広がれば、天草という立地が営業面のハンデになることもなくなるはずです。

地理的な制約をテクノロジーで乗り越える。光製作所の取り組みは、地方の製造業が拠点間の距離を感じることなく、人と人がつながりながら高い品質とものづくりの力を発揮し続けるための、ひとつの道筋を示しています。