【テレ窓導入事例】寝屋川市サービスゲートとは?ー「待たせない・動かさない」遠隔窓口の導入事例

【テレ窓導入事例】寝屋川市サービスゲートとは?ー「待たせない・動かさない」遠隔窓口の導入事例

2025年5月、大阪府寝屋川市に「寝屋川市サービスゲート」が開設されました。こどもの健診も含む特に市民の利用の多い窓口機能を駅前に集約し、「市民を待たせない」「市民を動かさない」取組を実施しています。「市民を動かさない」取組を担っているのが、別庁舎の福祉部と連携する遠隔窓口システムです。

本事例では、サービスゲート開設の背景と、それを支える遠隔窓口システム「テレ窓」の役割について紹介します。

寝屋川市について

寝屋川市は大阪府北河内地域に位置する自治体です。市政運営においては、独自施策や迅速な意思決定を通じて、全国的に注目される取り組みを進めてきました。

特に、いじめ問題への対応などを通じて行政の在り方そのものを問い直す姿勢は広く知られており、課題に対して制度設計から見直すスタンスが特徴です。

市民サービスの分野においても、市民サービス改革の行動指針として、「市民の事情」>「行政の都合」、スピード感を持った対応、期待・想像以上の対応が掲げられ、市民のことを最優先に考え、改革を進めています。

こうした行政姿勢の延長線上にある取り組みの一つが、寝屋川市サービスゲートです。

市民サービスの「ターミナル化」推進計画と寝屋川市サービスゲート

寝屋川市では、市民サービスの「ターミナル化」推進計画に基づき、利用頻度の高い施設を公共交通機関の結節点である京阪寝屋川市駅周辺に集約する方針を示していました。

寝屋川市サービスゲートは、市民サービスの「ターミナル化」計画を推進する大きな取り組みです。

寝屋川市ホームページ 「寝屋川市サービスゲートのご案内」

寝屋川市サービスゲートの外観
寝屋川市サービスゲートの外観

本記事の要約

なぜ寝屋川市サービスゲートが設立されたのか

市民サービスの「ターミナル化」推進計画として駅前に窓口を集約

寝屋川市は複数の庁舎を有しており、手続き内容によっては別の庁舎へ移動する必要がありました。庁舎間は距離があり、バスでの移動を伴うケースもあります。高齢者や子育て世代にとっては、複数拠点を回る負担は小さくありませんでした

こうした状況を踏まえ、市民サービスの「ターミナル化」推進計画に基づき、公共交通機関の結節点であり、市域の中心でもある京阪寝屋川市駅周辺に利用頻度の高い窓口を集約。市民サービス部およびこども部の窓口を駅前に再配置し、寝屋川市サービスゲートを開設しました。

寝屋川市サービスゲートは「すべての行政サービスにつながる入口」また「様々な相談を解決につなげる扉」と位置付けられ、行政サービスの充実・提供を図ることとされており、他施設の手続で来庁された方を「動かさない」ため、対面同様のオンライン環境を整備することとされました。

その解決策として導入されたのが、遠隔窓口システムです。

サービスゲート内に複数設置された遠隔窓口システム
サービスゲート内に複数設置された遠隔窓口システム

寝屋川市サービスゲートを支えるDX施策

寝屋川市サービスゲートでは、「待たせない・動かさない」を具体化するため、複数のDX施策が組み合わされています。

待合室・休憩スペースに多くの座席が設置
待合室・休憩スペースに多くの座席が設置

待たせない仕組み ― 呼び出し状況配信

窓口の混雑状況や呼出番号をスマートフォンから確認できる仕組みが導入されています。来庁前や施設内で受付状況を把握できる環境が整えられています。

呼び出し状況配信
呼び出し状況配信

動かさない仕組み ― 遠隔窓口システム「テレ窓」

別庁舎にある福祉部(保護課・高齢介護室・障害福祉課)とオンラインで接続できる遠隔窓口が設置されています。来庁者は専用ブースで部署を選択し、端末からワンタッチで接続を行います。画面には担当職員が映し出され、顔を見ながら相談を進めることができます。

この窓口の運用を支えているのが遠隔窓口システム「テレ窓」です。

遠隔窓口システム「テレ窓」
遠隔窓口システム「テレ窓」

寝屋川市サービスゲートを支える遠隔窓口システム

サービスゲートでは、高齢者や子育て世代の利用が想定されています。そのため、遠隔窓口システムは「操作が容易であること」が前提条件でした。

遠隔窓口システム「テレ窓」は、ワンタッチで接続できる設計となっており、来庁者のITリテラシーに依存しない運用が可能です。遠隔窓口ではサービスゲートの窓口専門職員(サービス・アテンダント)が案内・操作を行いますが、リモコン操作の簡便さにより、現場の職員にとっても扱いやすい構成となっています。

また、周辺機器はワンタッチボタン、書画カメラを組み合わせた構成が採用されています。テレ窓はこうした機器構成に柔軟に対応できる点も、窓口用途に適している大きな理由の一つとして、寝屋川市サービスゲートの窓口システムを支えています。

一般的なWeb会議用途とは異なり、窓口業務の流れに組み込める設計であることが、導入の大きなポイントとなりました。

遠隔窓口の具体的な手続きの流れ(令和8年1月14日時点)

  1. 部署を選択し接続
    窓口専門職員(サービス・アテンダント)が来庁者の用件を聴き取り、該当の端末を接続します。
  2. 担当職員と対話
    担当職員と画面越しに会話し、申請内容等を確認します。
  3. 書類の出力
    担当部署側で入力された申請書類が、ブース内のプリンターから出力されます。
  4. 記入・提出
    利用者は署名等を行い、提出箱へ投函します。手続き内容によっては後日の対応となる場合もありますが、別庁舎へ移動することなく相談から申請までを進めることができます。

この一連の流れが、サービスゲート内で完結する運用を成立させており、多くの住民の方々の手続きをサポートできるようになっています。

分かりやすい案内、たくさんの本棚も
分かりやすい案内、たくさんの本棚も

寝屋川市サービスゲートがもたらした変化

福祉部との連携が駅前拠点に組み込まれた

遠隔窓口システムの設置により、寝屋川市サービスゲートでは福祉部との連携を前提とした運用が日常業務の一部として組み込まれており、令和7年度では約3,000件以上利用され、これまで別庁舎への案内が必要だった手続きの一部が、サービスゲート内で対応可能となりました

寝屋川市サービスゲートの案内板
寝屋川市サービスゲートの案内板 (令和7年5月26日地点の案内表示)

来庁体験の変化

モニター越しの会話に戸惑う来庁者もいる一方で、「離れた場所まで行く必要がなく、便利だ」といった声も寄せられています。

サービス・アテンダントによる案内や日々の運用調整を重ねることで、遠隔窓口は特別な仕組みではなく、サービスゲートの窓口業務の一部として位置づけられています。

待合スペースと遠隔窓口のスペース、ゆったりと広い空間

寝屋川市サービスゲートを支える遠隔窓口の価値

「すべての行政サービスにつながる入口」「様々な相談を解決につなげる扉」としての役割を担う寝屋川市サービスゲートにおいては、市民を動かすことなく、オンラインで手続を完了することができる環境を整備する必要がありました。

遠隔窓口システムの運用に活用されているテレ窓は、容易な操作性と、書画カメラやプリンターを組み合わせた柔軟な機器構成により、対面同様のオンライン環境を実現し、寝屋川市サービスゲートにおける「市民を動かさない」取組を進めるために、必要不可欠なシステムです。

よくある質問(FAQ)

寝屋川市の事例から学ぶ「動かさない」窓口DX

Q
なぜ汎用的なWeb会議ツール(PC/タブレット)ではなく、LoopGate(専用機)だったのですか?
A

「誰でも迷わず使える操作性」と「窓口業務に組み込める即応性」が必要だったためです。
寝屋川市サービスゲートでは、高齢者や子育て世代など、幅広い市民の利用が想定されています。テレ窓はワンタッチで接続でき、来庁者のITリテラシーに左右されません。書画カメラやプリンターなどの周辺機器とも組み合わせられ、通常のWeb会議ではなく、窓口業務の流れに沿って運用できる点が導入のポイントとなりました。

Q
専門知識のない担当者でも運用できますか?
A

はい、簡単な操作で運用できます。
サービスゲートでは、窓口専門職員であるサービス・アテンダントが来庁者の用件を確認し、該当する部署へ接続します。リモコンやワンタッチボタンで操作できるため、専門的なIT知識に依存せず、現場の職員が扱いやすい構成となっています。

Q
閉域網やLGWANにも対応できますか?
A

はい、自治体のネットワーク環境に合わせた構成が可能です。
テレ窓は、LGWANや閉域網を含む自治体の三層分離環境に対応できます。インターネット接続系、LGWAN接続系、マイナンバー利用事務系など、各自治体のネットワーク構成やセキュリティポリシーに合わせて接続方法を検討できます。

Q
導入にはどのくらいの期間がかかりましたか?
A

契約候補者の決定から運用開始までは、約3か月です。
寝屋川市では、2025年2月6日に遠隔窓口システム整備事業の契約候補者を選定し、同年5月7日に寝屋川市サービスゲートでの運用を開始しました。システムの構築や機器設置、接続確認などを、施設の開設準備と並行して進めました。

Q
導入後、どのような効果がありましたか?
A

別庁舎へ移動せず、サービスゲート内で相談から申請まで進められるようになりました。
以前は別庁舎への案内が必要だった福祉関連手続きの一部を、遠隔窓口を通じてサービスゲート内で対応できるようになりました。2025年の5月から運用を開始し、3,000件を超える利用があり、市民が複数の施設を巡る負担や、移動に要する時間の削減につながっています。

Q
住民からの反応はどうでしたか?
A

「離れた場所まで行く必要がなく、便利だ」という声が寄せられています。
モニター越しの会話に戸惑う方もいる一方で、サービス・アテンダントが接続や手続きをサポートすることで、遠隔窓口は日常的な窓口業務の一部として定着しています。特に、別庁舎まで移動せずに専門部署へ相談できる利便性が評価されています。

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